名古屋市の情報化プランを調査
【二日目の岡山県倉敷市にて】
月曜日から水曜までの3日間、政策・総務・財政常任委員会で他自治体を訪問しました。横浜市政に反映すべく、先進事例研究や意見・情報交換を続けています。
島根県松江市から始まった今回の行政視察ですが、今日は昨日お世話になりました岡山県倉敷市から、愛知県名古屋市に移動し、名古屋市の「第2次名古屋市情報化プラン」について意見交換をさせていただきました。
【愛知県名古屋市にて情報化プランについて議論】
名古屋市の情報化政策は「行政視点から市民の視点」へ重点的なシフトを目指しています。電子申請の充実や、ソーシャルメディアなどを活用した市政情報の提供はもちろん、情報システムについては「所有」から「利用」への推進に向けた検討をしています。
具体策としては、効率的で費用対効果の髙い環境に配慮したシステム構築が必要で、ネットワークを通じたクラウドコンピューティング利用により経費削減、負担削減を行っていくというものなどです。
安全とプライバシーを守る情報保護についてはかなり厳しく行っているとのことで、「名古屋市情報あんしん条例」「個人情報保護条例」といった個人情報保護制度の適切な運用につとめています。
横浜市も最近HP上での問題があったということは、セキュリティーについては極めて重要なテーマになってくるのだろうと思います。
さて、高齢者や障害者、外国人も含めて、誰もがICTを利活用して情報入手情報格差を生まない環境づくりが大切、ということについて、名古屋市は公式ウェブサイトで提供する情報のアクセシビリティ工場を推進するといっています。
そこで、具体的にどうするのか? ということについて伺ったところ「市民一人ひとりのICT活用能力の向上のため、関連講座の実施、学習支援者による市民のICT関連の学習活動支援、利活用能力向上のための講習会」を実施しているとこのことです。こういった取り組みは、情報格差を作らないためには必須の取り組みで、デジタルデバイドの解消が市民にとっては何よりも大切です。
デジタルデバイドの解消については、私は以前より「格差社会とは何の格差か?」と 問われれば、「私自身は情報格差こそが今の日本社会の問題で、農村部と都市部では違うし、年齢も違えばデバイスの使い方もまるでちがうということです。ここのところの解消こそが格差社会を埋めるために重要なポイントのひとつです」と言ってきました。
しかし、なるべく多くの方、広くの方にデジタル装置をつかってほしいという施策を書いているのですが、現実には、紙を使ってやっていくことも大切で、年代別に見ても高齢者については利用率が低いということでありますので、紙媒体でも配慮しながら手間がかかっても手段を多数化するのが必要だろう。一方で、今、会社でばりばりパソコンを使っていた方々が退職し地域活動を始める時期に来ていて、今後は一層進むだろうと、日本社会の現在はまだデバイス移動の過渡期なので、行政という立場であるので、両方必要ではないのだろう、ということでしたが、私も同感です。
次に「クラウドコンピューティング」についてです。名古屋市は現在、大小あわせて200ものシステムがあるとのことで、これはまとめなければいけません。
横浜市もそうですが、メインのシステムへの統合が大切で、お金のかからない方法でやろうという自治体があるなかで、これまでのように業者任せでやっていては、お金ばかりがかかって、気づいてみると、にっちもさっちも行かない状態でごちゃごちゃになっていますので、これはそろそろ帰るべき時にきています。そのひとつがの手法として、クラウド化も必要です。
最後に、市民への行政データの開示(オープンデータ)というのが必要ではないか? という話もさせていただきました。横浜もようやく来年から行政評価シートをオンラインで見せるようになったのですが、今現在は実は他の部局のものをオンラインで職員間でも見られなません。
名古屋の場合には既に事業評価シートは職員間でも見れますし、市民への公開もオンラインでされています。
話のなかで広島市のように、タブレット端末の講習をやっています。地域活動の情報発信サイトを提供するよということで、やっているように、民間会社と一緒にやっている行政がある一方で、最終的にがんじがらめになってしまうのは危険ですので。
【第2次名古屋市情報プランの概要①】
【第2次名古屋市情報プランの概要②】
【第2次名古屋市情報プランの概要③】
【第2次名古屋市情報プランの概要④】
第2次名古屋市情報プランの概要のまとめはこちら
【ポイント】 横浜市についても、「共創推進」という官民協働で、民間からの事業提案をうけてやっていくことが必要になっていくのだろうと思います。
先月、林市長との一問一答で指摘させていただいたように(決算特別委員会の総合審査にて)、他の自治体を見れば、紙に頼らない、口利きもフルオープン、ほとんどすべてのデータをオンライン化し公開し、それに伴い、予算特別委員会も廃止している議会があります。
その結果、職員の方々も本来の仕事に情熱をもって取り組めるようになったと言うのです。
こうなるともはや、行政のみならず横浜市全体が遅れているので、あらゆる面で効率化を図るとともに、データも多様な角度から分析し多角的な議論が可能な時代においては、行政コストを抑え、経済効果も期待されるデータのオープン度合いは、まさに横浜民主主義の進展度合いを推し図る、バロメータとも言えると思います。
引き続き、オープンデータ等の取組を、真のリーダーシップをとって加速させる必要があると考えていますので、そこへ向け頑張ってまいります!
Let’s go Yokohama!
篠原 豪