震災から2年 未来にツケを回さぬ、責任ある市政を!

横浜市政

本日で震災より丸2年です。多くの犠牲者の方々にあらためて哀悼の意を捧げますとともに、一日も早い本物の復旧・復興がなされることを、心より願っております。


さて、現在横浜市は平成25年度の予算案を審議する議会が開かれておりますが、本当に教訓から学んだ市政運営がなされているのか、多くの点で矛盾があるように思います。


例えば3.11を受けた神奈川県の新たな津波浸水予測に、1605年の「慶長型地震」を想定があります。その内容には、「金沢区では海の公園付近で5mに迫り、周辺一キロ以内内陸まで浸水する可能性が指摘されていますし、根岸(磯子区)4.5m、本牧(中区)3.9m、横浜港(西、神奈川区など)4.2m、鶴見川河口(鶴見区)3.8mが最大となっており、おおむね1時間20分~1時間40分後に押し寄せる」(横浜に最大波5m、県が「慶長型地震」で津波高を試算/2011年12月18日付神奈川新聞カナロコ)ということが記述されています。


こういった予測があるにも関わらず、現在の横浜市政は、市役所建設を巨額の事業費を投じて進めようとし、金沢区においても津波の浸水が予測されるところに、区役所を建てようという話が進んでいます。市庁舎は防災拠点として重要であるわけですし、区役所は金沢消防署も併設しているのに、このまま進めて本当にいいのでしょうか。

私としてはこれまで議会の場などを通じて再三申し上げてきましたが、3.11前より議論されていたハコモノ政策を、何事もなかったかのように実現するため、経験から可否も含めて本当の意味での再評価を行わず、強引に推し進めようとするのであれば、これはまずいだろうと考えています。

3.11が我々に教えた歴史を教訓にせず、震災直後には明白だった答えがぼやけ、現実の痕跡を直視せぬまま進めていいわけがありません。忘れやすいのは世の常かもしれませんが、政治が風化させていけないのは、未だ復旧すらままならない現状が、この国にあることを忘れてはいけない。

見たくないものに目をつぶり、責任を忘れて目前のことばかりを考える政治が、子供たちの将来にツケを回していくことは許されません。この観点からも横浜市政に対し引き続き声をあげてまいります。

2013年3月11日 横浜市会議員 篠原豪