【第201回通常国会閉会(内閣支持率・景気と雇用・政治とカネ・イージス・アショア】

国会・国政

今国会は、6月17日に閉会しました。

 

政府与党は「コロナ禍に即時対応するために国会を常時開いておくべきだ」との野党の要求を無視し、衆参それぞれ週1回、約3時間の閉会中審査を開くことを条件に幕引きを急ぎました。

これ以上、追及を受けたくない安倍首相の意向が大きく働いたと考えられます。
今ほどの国難の時に国会を閉じるなど言語道断、国民の命と財産が脅かされている中、こんな暴挙がまかり通るなど許されるはずもありません。

 

内閣支持率の下落
日経リサーチが3月末から週単位で実施した世論調査によると、一世帯2枚の「アベノマスク」配布を表明した時期と検察庁法改正案への反対論が沸騰した時期に内閣支持率が大きく下落し、5月末には、42%だった支持率が32%に下がり、同じく42%だった不支持率が55%に跳ね上がっています。
朝日新聞社の5月の世論調査でも、内閣支持率が、第2次安倍政権の発足以来最低の29%を記録し、過去1年間で16ポイント落ち込んだことが分かります。

 

安倍一強を支えてきた景気と雇用の激変
これまでと事情が異なることとして、安倍一強の基盤とされてきた「アベノミクス」がそもそも揺らいでいることがあります。
第2次安倍政権の発足以来、拡大局面にあった景気と、人手不足で就職も楽だった雇用環境のおかげで、特に若い世代の圧倒的な支持を得ていましたが、コロナ・ショックでそれが風前のともし火になっています。
今後、もしも感染の「第2波」が来れば、さらに経済は悪化し、経済効果を期待して来年に持ち越した東京五輪・パラリンピックの開催さえ危うくなって、回復の見通しも立たなくなります。

 

「政治とカネ」の問題
さらに追い討ちを掛けようとしているのが、「政治とカネ」の問題です。
昨年7月の参議院選挙に自民党公認候補として立候補して当選した河井案里参議院議員、また、その夫で衆議院議員の克行前法相は、広島県議など地元議員や後援会・関係者91人に約2570万円の現金を渡したとして、東京地検特捜部に公職選挙法違反疑惑容疑で逮捕されました。

 

この参議院選挙では、自民党本部が杏里議員の陣営に他の陣営の10倍の1億5千万円が支給されたことが分かっています。
現在、検察当局が詰めの捜査に入っているので、その結果を待ちたいと思いますが、こうした法外な額の現金を支給したことが事件の背景にあることは間違いなく、その責任は免れません。

 

さらに、「法と正義」を担う法務行政のトップの法相が買収の疑いで逮捕されるという前代未聞の事件について、法相に任命した安倍首相の責任は、閉会中審査等で厳しく問われると考えます。

 

イージス・アショアの配備停止
北朝鮮の弾道ミサイル脅威に対抗するためには、現行のイージス艦だけでは足りず、是非とも必要であるとして安倍首相自ら導入を主導した陸上配備型のミサイル・システム「イージス・アショア」が会期末に突然、配備停止になりました。

 

すでに秋田県への配備は、地元の反対で予定地への配備が事実上、不可能になったことがマスコミで報じられていましたが、もう一つの予定地である山口県への配備について、ブースターの落下地点が地元説明と大きく食い違うことが判明したとして、停止の判断に至ったことが防衛大臣から表明されました。
元々、変則的な軌道を描く北朝鮮のミサイルに対応できないのではないかとの疑問が専門家からも出ていたので、とても巨額の費用に見合う設備とは考えられません。

 

しかし、この配備停止が最終的な計画の中止になったわけではありません。
通常国会の閉会から一夜明けた18日、安倍首相は、記者会見で、安全保障のあり方について今夏に国家安全保障会議(NSC)で集中的に議論し、新たな方向性を打ち出す考えを示しました。
そして、その中で、敵基地攻撃能力の保有にも言及しましたので、政権の本来の意図がどこにあるのかを含め、慎重に動向を見ていく必要があると考えます。

 

コロナ禍を乗り越えて

国会は自公与党の安倍政権により閉じられてしまいましたが、早急な臨時国会の開催、十分な閉会中審査を求めてまいります。
そして地元のお声をしっかりと受け止め、国に届けるととともに、このコロナ禍を乗り越えるため、先頭に立って引き続き精力的に活動してまいりますので、皆さまのご指導を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

衆議院議員
篠原 豪

 

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