第203回臨時国会開会
国会開会の朝、磯子駅にて
10月26日、ようやく臨時国会が41日間の日程で開かれることになりました。
コロナ禍にも関わらず4カ月以上にわたり国会が開かれず、菅総理が所信表明演説で政策を語ることもなく、この日に至ったことを大変残念に思います。
【安倍首相の退陣】
思い返せば、安倍首相が8月28日の夕刻、突如、首相官邸で記者会見し、持病の潰瘍性大腸炎が再発したことを理由に辞任する意向を表明しました。
政府の人事権を官邸に集中させ、国政選挙の連勝を背景に与党への影響力も強め「安倍1強」と呼ばれた状況が長く続き、その中で、官僚の過剰な忖度を生み、国会軽視を重ねてきた政治に突如幕が下ろされたわけです。
長期政権によるおごりやゆるみの象徴だった森友・加計問題や桜を見る会、公文書改ざん、そして、コロナ対応の迷走によって、読売新聞社が8月7~9日に実施した全国世論調査では、安倍内閣の支持率は37%、不支持率は54%と、第二次安倍政権発足以来の最低値を記録していました。まさに、政治的には、追い詰められた末の辞任表明でした。
もちろん、今年は8月にオリンピック・パラリンピックの開催、その前には、習近平国家主席の国賓来日が予定されていたので、これまでのように政権支持率も回復して、総選挙で勝利することも不可能ではなかったと考えられますが、残念ながらコロナ禍の中で、全てが裏目に出る結果となりました。
ただ、後継の総裁が決まるまでその職務を遂行するとしたので、自民党は直ちに総裁選の手続きに入り、9月中には臨時国会を開いて新首相が選出される日程は固まりました。
【菅新政権の誕生】
菅官房長官が8月30日、自民党総裁選に立候補する意向を固めると、二階派や無派閥議員が早々に支持を表明し、次いで、最大派閥の細田派、麻生派が31日に菅氏支持の方針を決めたので、国会議員票での争いでは圧倒的な優位を獲得することになりました。
さらに、9月1日には、二階幹事長が異論を押し切る形で、総裁選が党員・党友投票を省く「簡易型」で行われることも決まったので、菅氏選出は既定路線となったわけです。
そして、自民党総裁選は9月14日、都内のホテルで投開票が行われ、菅官房長官が岸田政調会長、石破元幹事長を破り、第26代総裁に選ばれました。
16日に第99代首相に選出され、自民、公明両党による連立政権も発足しました。
菅氏は、総裁選で安倍路線を踏襲することを明言していましたので、麻生副総理兼財務相ら8人の閣僚を再任、加藤勝信氏ら3人を横滑りさせて、初入閣は5人に留め、なおかつ、主要派閥の均衡を重視した、安全運転が際立つ内閣となりました。
ただ驚くべきことに、菅内閣の発足を受け、朝日新聞社が9月16、17日実施した世論調査(電話)では、内閣支持率は65%、不支持率13%で安倍内閣末期とは際立った違いが見られました。
恐らくその要因は、首相が16日の記者会見で「新型コロナウィルスの感染抑制と経済再生が私に課せられた課題である」と明言し、早速、保険外適用となる民間のPCR検査を受けやすくする方策を大臣に指示したことや、誰もが関心のある電話料金の引き下げ、さらには不妊治療の保険適用を指示するなど、すぐにでも結果が出そうな施策をアピールしたことであると思われます。
菅総理自身は本格政権を狙っています。
しかし衆議院議員の任期満了が来年の10月に迫っており、自民党総裁の任期も来年9月までです。
つまり約1年という短期間に、改革の実績を挙げて、衆議院解散を打ち、総選挙で勝利して、総裁選で再選される、という課題を、菅政権は最初から背負っているわけです。
今後の国会運営や政局は、常にこれを背景としたものとなります。
いずれにせよ、いよいよ論戦が始まります。
我々はいつ解散があっても良いように準備を重ねつつ、自民党支配を早期に終わらせ、政権交代をするために全力を尽くさねばなりません。
しっかりと頑張ってまいりたいと思いますので、皆さんも国会での議論にご注目いただければと思います!
愛する地元から国を変える!
まっとうな政治。正々堂々と!
衆議院議員 しのはら豪(立憲民主党、神奈川1区)
Let’s GO!!!!!