市民を守る覚悟と予算の使われかた
これまで、給食の横浜市は小学校給食食材の測定を、民間の二つの検査機関に依頼して一日一検体限定で行ってきたことは、ご存知の方も多いと思います。
そして、第二回定例会の補正予算で約1,200万円の予算を組んで、自前で対応すべく横浜市衛生研究所(磯子区滝頭)に、放射線測定器(ゲルマニウム半導体検出器)を整備しました。
【ちなみに、空間放射能をはかる環境科学研究所も同じ敷地内にあります:実物】
そもそも導入までに時間がかかるという理由から、民間2社を選定してはかってきたわけですが、この2社を選んだ理由は、今回導入された横浜市測定機器と同程度の測定を行える、というものでした。
そして、いよいよ導入されて、測定現況で言えば、8月10日までで70検体を検査しています(市のHPをご参照)。
【市が購入した計測器:実物】
さて、ここで、私たちがこれまでに行った調査の経験から、この数が適切かどうか、という問が生まれました。
そこで、同じ測定器を使用する横浜市衛生研究所と、民間の検査機関。どのように測定を行っているのか、調査を行いました。その結果が下の表です。
測定については 「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」(PDF)に基づき行われていて、測定時間は同じ2,000秒。器械の「校正」(測定精度の調整)にかける時間も、検体の量も異なりますが、気になるのは、測定の回数です。衛生研究所は1検体に、測定の準備などを含め2時間かけています。
ここで肝心なのが、測定品目の指示を出すのは食品衛生課です。衛生研究所は食品衛生課の指示無くして、測定はできません。
その食品衛生課に聞いても、現状では測定品目を増やしたり、給食食材を衛生研究所でも測定をする予定は無いと言う。
これが横浜市の対応の現状だと考えています。こういったことに対して、みんなの党として7月26日に横浜市長に要望書を提出しましたのはご報告ずみですが、その項目には、給食食材の測定も含んでいます。
民間に委託して、1日たった1検体しか測定を行っていない。しかし、衛生研究所に測定器をもっと活用すれば、もっと多くの測定を行えます。衛生研究 所に測定ノウハウが無いのであれば、民間事業者にアドバイスをもらって、より効率的な測定を行うことも可能ではないでしょうか。。
【委託先民間業者の測定器:実物】
予算をかけて測定器を買っても、活用しきれていないのであれば残念です。
横浜市のこれまでの放射線対策は、非常に遅く、非常に甘く、とても本気で市民を守ろうとしているとは感じられないものです。
指示と、ノウハウがあれば、衛生研究所はより多くの検体を測定することができ、市民の安全をより守ることが可能になります。市が、市長が、どういう判断をするのか、本気度が分かります。
今後も、要望を続けていきます。
Let’s go YOKOHAMA!
篠原豪